抜本見直し?

厳しいコストの現実
 ここまでで設備もほぼ決まり、外構概要も出揃いここまでの見積りが出てきました。まあ、始めの段階でも絶句してましたが、あの時を10秒くらいとすると今回はきっちり30秒は絶句するくらいといえましょうか。その後財務省たるヨメが冷静に資金計画を考え直した末、かなりの見直しが必要との判断が下されSさんとの相談になりました。
 現在の間取りがかなり気に入っている私でしたが、ここで計画全体の大規模な縮小も止むなしと覚悟をきめていました。とりあえず私達からSさんに提示した案として;

・リビングの吹き抜けを中止しリビングの天井部分に寝室をレイアウトできないか?(2階廊下が減るので建坪が減る)
 →リビングに普通に天井ができるのでサラウンドスピーカーの配線がし易くなるしかえっていいかも。
・敷地南の予備駐車スペースを取りやめ。
・北側(道路側)の駐車スペースの縮小(奥行き13mを8mに)
 →これにより家の北側に9×5mの土の庭ができるのでかえっていいかも。
・最悪、和室・書斎はなくても可

他にもありましたが大きなものはこの位だったと思います。

2003年8月23日 
 この日Sさんからの修正案の提示があって緊張をもって図面をみると1階などはぱっと見は大きな変化がなくてちょっと面食らった感じです。Sさんの説明では;

A.家全体の大きさを17×9mから17×8.5mと奥行き(?)を50cm詰めた
B.柱は全て4寸だったのを間柱を3.5寸にする
C.2階の間取り変更(リビング吹き抜けを取りやめ、寝室の配置を変えた)
D.外構変更(コンクリート打設面積が減少、塀のブロックの意匠変更など)

以上が主なる変更点ということでした。AとCによって建坪をだいぶ減らすことができたとのことです。特に2階は廊下が最小限になったのと、2つある子供部屋の大きさが同じになった(尺で7.2畳)のでかえってよかったかもしれません。またこれまでのプランではベランダが寝室と子供部屋の2カ所に分かれていたのが1つの大きなベランダになったのも好都合でした。Bに関しては和室や構造上の要所では4寸柱を使うし、ちょうど東日本ハウスの施工方法の変更(パネルの張り方を変えたとのこと)で強度的には全く問題ないとのことでした。これで予算は当初見積りの80%にまで縮小が可能になりました。私としては和室や書斎が無くなることまで覚悟していただけに、間取りの構成自体はほとんど変化のないままでの今回の案を考えてくれたSさんと設計のKさん(この時点では面識無し)には心から感謝です。当然太陽光発電システム始めオール電化仕様もそのままです。これで財務省のOKもでて一時は暗礁に乗り上げかけたにみえた計画も息を吹き返すことができました。
 今回の変更でまず外観が大きく変化しました。私は大きな三角屋根の家が好みなのですが、期せずしてその形になりました。

変更前

 この絵だと1階部分の外壁のデザインが右と異なっています。外観の変化は主に2階の間取り変更によるものです。

変更後

 形としては私はこちらの方が断然好みです。問題があるとすれば屋根形状の変更で太陽光発電システムの向きが南西にずれてしまったことでしょうか。

この変更で影響を受けるのは家の北西側、つまりキッチン・小納戸・洗面所の辺りです。図面上は目立たないのですが、1階の小納戸と階段下収納も狭くなりました。しかしケガの功名で階段の位置もずれたことでリビングに幅1mの収納が作れるようになりました。というか、今まで気付かなかったのですがリビングに収納が無かったのでこれはかえって好都合といえるかもしれません。
 困ったことといえばやはりキッチンの幅が狭くなってしまったことです。流し台の後ろに冷蔵庫を置こうとするとドアをあけるスペースを考慮すれば人一人がやっと入れる位の幅しか確保できなくなってしまうので食器棚・冷蔵庫・作業台の配置の見直しが必要になってきました。メインユーザーのヨメはこれに乗じて冷蔵庫の買い換えを画策し始めていますが・・せっかくコスト削ったのにそれはないんでないかい?

 ともかくこの1件で話し合いの当初にSさんがいった「引き算の家造りとならないように」〜つまり理想から妥協の連続でどんどん縮小していくような家造りとならないように〜という言葉の意味がよく解りました。考えてみれば家が建てばそこに一生住むのは私達ですから、私達が納得していない家にしてはならないという基本原則を私達が忘れていたのをSさんは思い出させてくれたとも言えます。客が間違った方向に進もうとするのをこうして軌道修正してくれたことでSさんに対する信頼はさらにアップしてしまいました。まあ、時々みられる「あっ・・・・すいません、忘れてました」も全然大目に見れてしまいます。
 これで最大の問題点も一応の解決をみたので、あとは契約に向かって細部を詰めていきます。