外構計画見直し

 「契約まで」の項にあるようにうちの工事には外構も含まれています。最近ではハウスメーカーでも外構まで含めてプランを提示することが多くなっているようです。ただ、実際の工事は他の会社が行うことには変わりなく契約前の打ち合わせでも図面の提示のみであまり具体的な内容は話し合われることはありませんでした。私達としては事前に外構を担当する事業者と打ち合わせを持ちたいと考えていましたが結局それは実現することなく今に至っています。行程表では3月22日に外構工事が始まる予定でしたが3月16日時点で既に着工していました。

駐車場の変更
 3月17日に現場での電力会社との契約があった際に外構工事の現場を見たのですがそこで工事をしている作業員から駐車場を全部同じ傾斜にしてはどうかという提案がありました。契約時点でのプランだと間口のうち門扉へ向かうアプローチ部分は途中からスロープでフラット(水勾配のみ)な駐車場とは段差があります。しかし実際に業者が現場で作業してみると駐車場全体を同じ勾配でフラットにできることが判ったためその話がありました。この変更自体は駐車場が広くなりますし見た目にもすっきりするのでOKを出しましたが、ここに来て何故このようなことが起こるのかという思いはあります。外構工事をする業者は図面だけで考えていて事前に詳細な打ち合わせがないまま着工してしまうことの弊害のようにも思えてしまいます。ともかくこの変更で駐車場全体を間口道路から5%(1/12)の勾配で造ることになりました。駐車場の奥行きは8mあるので高低差は60cmになります。
 私は家のGL(基準高)の高さが間口から60cmという認識だったので、今回の変更で駐車場と庭の間の段差がなくなるのか?と考えてしまいました。しかし、よくよく図面を見てみるともともとの段差は85cmでした。しかも詳しいことはまだよく理解できていないのですが、今回の変更は当初の測量と現状との間に相違があったので可能になったようです。つまり家のGLは85cmよりも高いところになっているようです。今回の変更で駐車場の高さが上がっても庭との段差は40cm以上確保できるようなので実質1m以上も高くなっている計算になります。このためもあって以前に出てきた裏の位置指定道路側のブロック高の不足が生じたようです。後日営業Sさんと外構に関しての打ち合わせがあった際にこの点に関して問い質しその説明を受けました。

●駐車場部分


写真は3月17日早朝のものです。写真左が間口道路側で掘り下げられ、砂利が運び込まれていました。
手前のブロックが問題の高さが足りないブロックです。和室側にできる庭との段差が確認できます。

上の写真は3月17日早朝、これは21日のものです。駐車場全体に5%勾配を付けるという変更をうけて17日に掘られた段差が浅くなっています。

駐車場と庭の間のブロック塀の基礎です。高さは40cm前後になるようです。
段差の部分です。実際には掘られた部分は浅くして上の写真のようにブロックを上積みすることで段差がつくことになります。
雨水升と問題のブロック塀です。雨水升の上面がGLになっているのでこの部分ではブロック1個分は高さが足りないことがよく判ります。このブロックの内側に新たにブロック塀を作る事になっています。
17日昼には写真のように内側にブロックの基礎がつくられていました。
黄色いラインは後からレタッチで書き入れたものです。実際には黄色い糸が張られています。この糸の高さで内側にブロックが積まれて土盛りされることになります。
玄関ポーチ前から駐車場を見ます。手前に掘られているのはアプローチのスロープ部分と庭を境する土留めブロック用の基礎となるところです。
これも黄色いラインは後からレタッチで書き入れたものです。この時点では糸より左は門扉へのアプローチスロープ、左が駐車場となる予定でした。

同じ17日の昼の写真で木枠が置かれ基礎の配筋を敷く準備がされていました。

ポーチ前の状態です。まだ土盛りがされていないのでポーチタイル下の基礎コンクリートが見えています。写真下方に見えている雨水升の所までコンクリートが打たれることになるでしょう。

11cmの攻防〜スロープとヨメ
 同じ3月17日玄関ポーチに向かうスロープ群の配置について新たな問題が発生しました。手摺りを始めとしてバリアフリーに関しては極めて厳しいヨメ(看護師・ケアマネ)がよくよく図面をみて見逃せない欠点を見つけたのでした。それは11cmの段差でした。

●図1

当初のプランです。図から判るように門扉から玄関に至るまでに丸数字1〜3の3つのスロープが造られることになっていました。
±0がGLで+110がGLからの高さを示します(単位はミリです)。
緑色の丸は植栽(のつもり)です。

上図1のスロープ1が造られる所です。和室掃き出し窓の前になります。

※ちなみにスロープの勾配5%(1/12)は車椅子で自走できる一つの目安になっています。

 上の図1を見ると和室前のスロープ1を下りきった所がGL+110になっています。土の部分はGL(±0)ですから降りた先には11cmの「断崖」があるということになっています。ヨメに言わせればこれは一番危険な配置でこの段差はあってはならないそうです。またよくよくみてみるとスロープ1とスロープ2は連続しているのでその接合部の形が複雑になってしまいそうです。もし車椅子でここを通行するような場合、接合部では植栽側に傾いてしまい不安定になってしまう可能性があります。3月18日の夜営業Sさんと急遽話合いがもたれ、いろいろと案を巡らせました。

a.スロープ1の長さをそのままに終点を+110からGLにする
勾配がきつくなる(ちなみに4.7度から7度)のでバリアフリーの基準を満たさなくなる

b.スロープ1の長さを延長する(スロープ2は消滅)
スロープ3との接続方法が複雑化してしまう

c.スロープ1の終点の高さは+110のままでそこをフラットにし長さを延長する(オーバーランしても大丈夫なように制動距離を設ける)
段差そのものは無くならない

d.段差のあるところに車止めの柵を造る
庭への出入り口がなくなる

d.とりあえずスロープ1は造らない。

 当初私は工事が最も単純化されるaをSさんに提案しました。しかしSさん的に(ヨメ的にも)は勾配5%は死守したい考えのようでcの案を推してきました。これは段差解消にこだわるヨメとしてはそのままでは受け入れ難いものがありました。bのスロープ延長は5%勾配で11cmの解消のためには130cmの延長が必要になりますからどうしてもスロープ3との接続が難しくなってしまいます。あれこれ考えた末たどり着いた結論はbとcの折衷案ともいえるものでした。

●図2

変更後の状態です。新たにスロープ4が加えられました。図1と違ってスロープ1の終端部は踊り場としてフラットになっています。何れのスロープも勾配5%(1/12)を守っています。

 図2にもありますがスロープ1の長さはそのまま、終端の高さは+110でフラットにして踊り場にします。そこから2つのスロープ(2,4)を5%勾配で2方向につけるということにしました。この際、スロープ3の土留めブロックとスロープ4の間に30cm前後の隙間ができてしまうので、ここはスロープ2側に車止めとしてブロックを置き、あとはスロープのコンクリートで埋めてしまうようにしました。これだとスロープ2の終端がアプローチに幾分入り込んでしまいますがそこはコンクリートのすり寄せでなんとかなるそうです。またその分壁側の植栽(図では下の部分)を短縮して制動距離(?)を稼ぐようにしました。ヨメとしても納得のいく内容になりましたし、これでとりあえず外構の問題は片づきました。